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アスファルトシングル屋根を選ぶメリットやデメリット、メンテナンス方法を解説

「補修をお願いしたら対応できる業者が居なかった」
「アスファルトシングルのメンテナンス方法がわからない」
このようなお悩みを抱えている方に向けて、他の屋根材とは性質が異なるアスファルトシングルのチェックポイントや劣化時のメンテナンス方法について詳しくご紹介いたします。
アスファルトシングルは北米生まれの屋根材で、日本ではシェア率がまだまだ低く正しい補修方法を知らない業者も存在いたします。
今回はそんな注意点も含め、施工経験の豊富な街の屋根やさんがアスファルトシングルを選ぶメリットや気になるメンテナンス方法を徹底的に解説していきます。

日本ではまだ見かけることの少ないアスファルトシングルですが、実は北米で開発されてから100年以上も使われ続けている歴史の長い屋根材です。
現在でもアメリカでは80%以上の住宅で使用されていますので、日本での和瓦と同じく、アメリカ国民からすれば屋根材=アスファルトシングルなのでしょう。
日本では建築基準法改正によって、2007年からアスファルトシングルが戸建てやマンションにも使用されるようになりました。

アスファルトシングルの特徴

アスファルトシングルはガラス繊維に道路の舗装にも使用されるアスファルトを浸透させてコーティングしたシート状の屋根材です。
表面には着色された砂粒が吹き付けられており、他の屋根材よりも一際「洋風」や「北欧風」といったテイストを感じられる見た目をしています。
アスファルトシングルの最大の特徴はその形状と柔軟性です。
粘土を焼いて固く形成された瓦やセメントを圧縮したスレートとは違い、アスファルトシングルはアスファルトを染みこませたシートですので柔らかく、曲げることもカッターで切ることもできます。
下葺き材の防水紙(ルーフィング)の屋根材バージョンと考えていただいたほうがしっくりくるでしょう。
屋根材としてのシェア率
日本国内におけるアスファルトシングルのシェア率は金属屋根やスレート屋根に比べると低く、全体の約5%程度です。
▼2021年度 国内屋根材市場における素材別シェア

屋根材 | シェア率 |
---|---|
金属屋根 | 63.2% |
スレート(セメント系瓦) | 15.0% |
粘土瓦 | 13.4% |
アスファルトシングル | 5.6% |
石粒付金属屋根 | 2.9% |
日本で近年建築されている住宅寿命は平均30年と言われています。
一方、アメリカの住宅寿命は70年近いもので、リフォームを続けながら住宅を長く維持し続けるライフスタイルが一般的な認識です。
屋根材が剥がれれば自身で貼り直すDIY文化が根付いているため、扱いやすく軽量なアスファルトシングルが生活にマッチする屋根材として普及しています。
ちなみに…
日本でも築100年超の古民家がありますよね?
昔は大きな柱で大きな梁を支え、風通しも良く長寿命な住宅に建てられていました。
それこそ、長寿命の住宅を守るには塗装の必要がない和瓦が最適だったのです。
しかし月日が経つごとに核家族世帯が増え、住宅の大きさではなく快適なライフスタイルを求め、コスト・間取り・導線・設備が重要視されるようになりました。
結果、現在の住宅は世代を越えて住み続けるのではなく、建て替える・引っ越すという考えにシフトしたため、住宅寿命は海外よりも半分ほどに短くなり、それに適した耐用年数の屋根材が主流となっているのです。
国内でアスファルトシングルを採用している屋根
柔軟かつ洋風な雰囲気を漂わせるアスファルトシングルは当初、複雑な屋根形状の住宅やログハウスに使用されているケースが多くありました。
現在では認知度が少しづつ向上し、集合住宅の屋根として使用されていたり、一般住宅の屋根リフォームでも採用されることが増えてきています。
加工が簡単でホームセンターでも入手可能なため、DIYを趣味とする方が好んで使用することもあります。

耐用年数は20年~30年

アスファルトシングルの耐用年数は20年~30年程度とされています。
以前までは15年前後で寿命を迎える商品もありましたが、現在では改良によって耐用年数をスレートと同じレベルまで伸ばしています。
アスファルトシングルの施工費用の相場

アスファルトシングルの施工費用の相場は5,000円~10,000円/㎡と、屋根材の中では比較的手頃な部類に入ります。
近い価格帯にはスレート屋根(コロニアル屋根)があり、耐用年数が近いこともあってか、リフォーム時の屋根材選びではアスファルトシングルとよく比較されています。
屋根材 | 施工価格(㎡) |
---|---|
金属屋根 | 6,000円~12,000円/㎡ |
スレート(コロニアル・カラーベスト) | 5,000円~8,000円/㎡ |
アスファルトシングル | 5,000円~10,000円/㎡ |
石粒付金属屋根 | 7,000円~14,000円/㎡ |
瓦屋根 | 19,000円~/㎡ |
ガルバリウム鋼板とアスファルトシングルの比較
同じ軽量な屋根材として比較の土俵に立たされやすい「ガルバリウム鋼板」と「アスファルトシングル」について、簡単に両者のどちらを選ぶかのポイントをご紹介いたします。

アスファルトシングルがオススメな場合
☑︎ 初期費用を抑えて屋根リフォームを行いたい
ガルバリウム鋼板がオススメな場合
☑︎ 30年以上は丈夫な屋根を維持したい
これらが共通している「軽量さ」以外のおすすめポイントです。
ガルバリウム鋼板とアスファルトシングルの徹底した比較は以下の専用ページで詳細にご紹介していますので、気になる方はまずチェックしてみてください。

ここからご紹介するメリット・デメリットは、アスファルトシングルの施工を行う業者側ではなく、リフォームで屋根材を選ぶお客様目線を基準としたものをピックアップしてわかりやすくお伝えしていきたいと思います!
軽量な屋根材であること
メリットの1番目に「軽量であること」を挙げたのは、現代の住宅屋根で重視されやすいポイントが耐震性の高さにあるためです。
アスファルトシングルは非常に軽量な屋根材で、その重量は瓦屋根の約1/6、スレート屋根の約1/2です。
1㎡あたりの屋根材の重さ

屋根材 | 重量(㎡) |
---|---|
瓦屋根 | 約60㎏ |
スレート | 約20㎏ |
アスファルトシングル | 約10㎏ |
金属屋根 | 約5~6㎏ |
屋根全体の重量を抑えることで地震の建物揺れを軽減させることができ、屋根を支える構造部分への負担も減らせます。
また、屋根カバー工法での屋根材選びでも軽量性は重要な指針になります。
屋根を二重にする屋根カバー工法では重量増加をなるべく抑えるため、軽量なアスファルトシングルは選びやすい屋根材と言えます。
複雑な形状にも使用できる

アスファルトシングルは柔軟性が高く、曲面や複雑な形状の屋根にも施工しやすいのが特徴です。
例えばドーム型の屋根など、硬い屋根材では葺くことが困難な形状にも施工可能な対応力は唯一無二の特性です。
※柔軟性の高さからひび割れないというメリットを掲載しているサイトもありますが、アスファルトシングルは経年劣化で硬化すると裂ける可能性があるため注意しましょう。
導入コストの低さ

軽くて柔らかいアスファルトシングルは施工がしやすく、屋根材自体の価格も低めであることから金属屋根材よりも導入コストが低く済みます。
デザインが豊富

アスファルトシングルにはさまざまな色のパターンがあり、その質感から北欧風の洗練された雰囲気を演出することができます。
吹き付けられた石粒がデザインの自由度を高めているため、選ぶ側からすれば選択肢が多いことは嬉しいメリットですよね。

施工できる業者が少ない

これまでは瓦やスレートが主流だったため、日本での歴史が浅いアスファルトシングルの施工経験がある業者は限られてしまいます。
以前よりもネット上で業者を探すことは容易になったものの、アスファルトシングルの施工についてしっかりとした知識を持たない業者に任せてしまうと致命的な施工不良が発生する恐れがあります。
アスファルトシングルの施工事例・作業工程などを公開している業者を探すのがオススメです。
より耐久性やコストパフォーマンスに優れた屋根材が存在する

アスファルトシングルよりも耐久性やコストパフォーマンスに優れた屋根材の存在はデメリットと言えるでしょう。
ですが、逆に「20年以内には家を手放す予定がある」「なるべく低コストで屋根リフォームを進めたい」といった条件には適しやすいです。
ご自身が何を希望しているか、それをはっきりさせていくことで後悔のないアスファルトシングルの屋根リフォームが実現できます。
強風に弱い

アスファルトシングルの固定には接着剤を使用するため、施工不良や圧着が不十分だった場合には強風時に剥がれてしまうというデメリットがあります。
特に台風の通過後ではめくれや剥がれの被害報告が多くなりますので、できれば台風前に業者点検などで状態をチェックしておけると安心ですね。
経年劣化で接着力が低下し、地上から見てもアスファルトシングル材に浮きや隙間が確認できる場合は補修を依頼するようにしましょう。

アスファルトシングルの浮き

アスファルトシングルは釘と接着剤を併用して固定されます。
接着剤や圧着が不足していると、そこから剥がれてきます。
釘で固定されているので脱落してしまうことはないのですが、アスファルトシングルは柔らかい屋根材ですので剥がれた状態で風に煽られ続けますと千切れてしまうこともあります。
▼アスファルトシングルが浮いてしまった事例

接着力が不足していたためか、強風で持ち上げられてしまいました。

風に煽られ続けますと、最悪の場合、千切れて飛散してしまいます。
剥がれ(脱落・飛散)

台風などの強風後、「何枚か屋根材が剥がれて飛散してしまった」とご相談を受けることもしばしばあります。
前述した施工不良や圧着不足、そして経年劣化による接着力の低下で引き起こされる剥がれです。
▼アスファルトシングルが剥がれてしまった事例

色が変化しているところが剥がれて飛散した部分。
剥がれている部分に規則性を感じられるので、特に風当たりが強かったのかもしれません。

アスファルトシングルの下の防水紙も破れてしまったケース。
アスファルトシングルそのものに元から接着剤がついているものもあるので、そういった製品では剥がれてしまうと防水紙にも影響を与えるリスクがあります。
表面の劣化(石粒の剥がれ)

アスファルトシングルは表面に天然砕石や彩色砂が吹き付けてあります。
この石粒は工事の時に剥がれることを考慮して余分につけられたものなので、施工後1年くらいは落下してきます。
その後は安定するのですが、劣化が進むと石粒が層となって剥離してきます。
ここまで来ると下地のフェルト紙も露出してしまうので、屋根材としては限界です。
アスファルトシングルはログハウスの屋根に使われることが多く、それを別荘として所有している方もいらっしゃいます。
久しぶりに訪れたら「屋根がボロボロになっていた」とお問い合わせをいただくことも珍しいことではありません。
▼アスファルトシングルの石粒が剥がれてしまった事例

劣化が進み、アスファルトシングルの表面が崩れてきたケース。
下地のフェルト紙が露出してしまっている。
こうなると雨水はフェルト紙を通過し、内部へと入り込んでいく。

劣化と風雨によって、完全に表面の石粒が取り除かれてしまったケース。
ここまで屋根材の劣化が進行している状況ですと、漏水のリスクも高まります。
早めにメンテナンスを進めることをオススメします。

剥がれた(浮いている)箇所の補修

剥がれている部分の補修です。
剥がれている部分とその周りを綺麗に清掃し、専用の接着剤を用いて貼り合わせます。
早期であれば、浮き上がっていたことが分からないくらい綺麗になります。
風に煽られて千切れてしまわないうちに補修してあげましょう。



屋根カバー工法

これまでの屋根の上に新しい屋根を被せる屋根カバー工法は、既存の屋根材を撤去する工程を省くことができます。
したがって、葺き替え工事よりも廃材処理費を抑えられ、安くリフォームをすることができます。
アスファルトシングルは屋根カバー工法にも使える屋根材ですが、街の屋根やさんでは実績のある金属屋根材での施工をお勧めしています。
アスファルトシングルの特徴である表面の石粒が好き、こだわっているという方もご安心ください。
金属屋根材にも石粒を吹き付けた製品がございます。



※葺き替え後の屋根材画像は金属屋根材のエコグラーニ
屋根葺き替え工事

表面のアスファルトシングルとその下の防水紙を解体し、下地から屋根を造り直す工事になります。
屋根リフォームの中では大規模なもので、解体費、廃材処理費、新しい屋根材の材料費、そして工事費が掛かるので、カバー工法に比べて高額になりますし、工期も長めとなります。
その代わり、カバー工法ではメンテナンスの手が届かない野地板の張り替えや増し張りが行えることから、確実な屋根修繕が実現できます。
軽量な屋根材へと葺き替えることで、耐震性の向上も果たせます。



アスファルトシングルは元々軽い屋根材ですが、それよりも軽量で耐久性が大幅にアップするのが金属屋根材です。
アスファルトシングル屋根のメンテナンスで葺き替え工事を進める場合、初期費用こそ高くなりますが、その分の耐久性の高さから工事後のメンテナンス費用が発生しにくい金属屋根材をお勧めしております。
前述のように石粒が吹き付けられた金属屋根材がありますので、元の雰囲気をあまり変えずに屋根の耐久性・耐震性を向上させることが可能です。
アスファルトシングルへ塗装をオススメできない2つの理由
アスファルトシングルを解説しているページには、メンテナンス項目で塗装を推奨している内容も見受けられます。
ただ、リフォームだけではなく屋根塗装にも精通している街の屋根やさんとしては、アスファルトシングルのメンテナンスとして屋根塗装をオススメできない理由があります。
理由1:縁切りが難しく、塗装をしても雨漏りのリスクが高まる

アスファルトシングルは柔らかい素材のため、通常のタスペーサーによる縁切りが行えません。
縁切りが不十分になる状態で塗装を行うと、結果として雨水の排水が妨げられてしまうことで雨漏りのリスクが高まるのです。
理由2:塗料の種類に制限がある

アスファルトシングルに使用できる塗料は水性塗料に限られます。
もし油性塗料を使用してしまうと、シングル材に含まれるアスファルト成分が溶け出してしまうためです。
せっかく塗装をしたのに耐久性が著しく低下してしまい、美観にも悪影響を及ぼします。
以上のように、アスファルトシングルへの塗装には塗料の制限や塗装時の雨漏りリスク向上など、塗装メンテナンスが向かない理由が存在しています。
石粒の剥離を抑える、表面の色あせを改善するといった理由が述べられていることもありますが、実際には問題を引き起こす原因を作りやすいと考えられるのです。
塗装によるメンテナンスを必要とするスレートと違い、アスファルトシングルは屋根材自体が防水紙のような高い防水性を有していますので、原則として塗装は不要な種類だと言えるでしょう。
アスファルトシングルの点検は10年を目安に
お住まいも体と同じです。
悪いところは早期に発見し、迅速にケアしてあげれば、大事に至ることはありませんし、費用も安くなります。
特に強風で剥がれる可能性があるアスファルトシングルには、何も問題が生じていないとしても10年を目安に点検を依頼し、業者にカバー工法や葺き替えが必要な状態かを判断してもらいましょう。
定期的な点検の他、悪天候後も検査してあげれば完璧でしょう。
ただし、ご自身で屋根に上るのは危険ですし、体の病状の判断と同じように、その道の専門家でなければ不具合を見逃してしまうことも考えられます。


台風時にお住まいの心配をされ、屋根に上り、風に煽られ、落下してしまうという事故が毎年、後を絶ちません。
点検は無理をしないで、地上から見える範囲だけでも大丈夫です。
それ以上のことは私たち街の屋根やさんにお任せください。

アスファルトシングル屋根材は様々な屋根材メーカーが商品を販売しております。
しなやかな仕様は変わりませんが、保証等からアスファルトシングルが高い性能を持つ屋根材であることがお分かりいただけるかと思いますので、オススメの商品を厳選してご紹介したいと思います。
リッジウェイ

旭ファイバーグラス株式会社のリッジウェイは、ランダムなカラーによって立体感をより一層感じさせるアスファルトシングル屋根材です。
個性的な屋根カラーですが落ち着いた仕上がりですので、和洋折衷のお住まいにもピッタリな屋根材です。
製品保証は10年、この間に製品不具合による雨漏り・飛散が生じた場合に保証が受けられます。
アスファルトシングルのメンテナンス時期といわれている10年間、不安なく生活できるとなれば安心ですね。
オークリッジスーパー

オーウェンスコーニング社が製造・販売するアスファルトシングル屋根材オークリッジスーパーの最大の特徴は、【ライフタイムワランティー】という独特の保証制度です。
簡単に説明すると、制限がある代わりに永年保証が付けられています。
制限は「経過年数によって保証金額の割合が下がる」というもので、施工から毎年2%づつ低減していきます。
※施工後40年まで低減し、以降は一定の割合になります。
施工後40年が経過した際にも保証がついているというのは他の屋根材を探してもありません。
アメリカなどではよく用いられるタイプの保証制度のようで、海外産のアスファルトシングルらしいですね。
カラーは7種類、独特なグラデーションが屋根に立体感と上品な印象を与え、日本で滅多に見ることのできない素敵な洋風住宅に仕上がります。
商品名 | メーカー | 商品詳細 |
---|---|---|
オークリッジスーパー | オーウェンスコーニング | 解説ページ |
ただ、施工後40年まで来ると保証の割合が20%まで下がることや、そもそもアスファルトシングル屋根を40年間維持し続けられるかという点を加味すると、安易に「長期保証だから」という理由で選ぶと後悔してしまうことも考えられます。
もし40年近く耐久性を維持できる屋根材でのリフォームを希望している場合には、SGL鋼板などの高耐久金属屋根材の方が理想に近いと言えますので、屋根材選びでは業者の経験則などを参考にしながら決めることをお勧めします。
他にもニチハのアルマ、田島ルーフィングの光触媒仕上げのSINGLEなど、特徴的なアスファルトシングルがいくつか存在しています。
デザインで決めるも良し、性能で決めるも良し、日本の環境に合わせて考えられたアスファルトシングルでお住まいのイメージチェンジを図るのも楽しみですね。

アスファルトシングルの特徴や補修方法についてご紹介しましたが、普及率が高くない屋根材だからこそ誰に聞いても曖昧な返答ばかり。
施工業者に任せているだけではいずれ「もっと知っていれば良かった…」という後悔をしてしまうことも…。
そこでアスファルトシングルを使用する際にチェックしておいていただきたい項目をまとめましたので、施工時にぜひ参考にしてみてください。
① 施工・補修できない屋根業者が存在する!

これは先ほども申し上げましたが、日本国内でのアスファルトシングル施工実績は多くありません。
アスファルトシングルを施工したことが無いという屋根工事業者がいても不思議ではないのです。
しかし、あえて申告する業者もいないでしょう。
知っているだろうと甘い考えで工事を頼んだ結果、施工方法を誤り雨漏りを起こしてしまった…というトラブルが起きないよう、前もって施工実績があるのか、施工上の注意点を把握し、業者任せにすることがないようチェックしておきましょう。
② 雪止めは先付けが安心!

どの屋根材にも適した雪止め金具があり、施工時もしくは後付けが可能になっています。
もちろんアスファルトシングルにも雪止め金具が用意されているのですが、街の屋根やさんでは先付けをお薦めしております。
固定の問題からアスファルトシングルに限ったことではありませんが、アスファルトシングルは特にです。
というのも、アスファルトシングルは釘だけでなく接着剤も使って固定しているため、施工の状況次第では捲って差し込めない場所が存在します。
強風で剥がれないよう接着させているため正しい本来の施工方法ですが、雪止め設置が一段と難しい場面となります。
元より近隣住宅が近い、カーポート等の破損リスクがある、雪が降る地域は施工の段階で雪止めを設置しておくようにしましょう。

③ 滑りやすい屋根上に注意!
「屋根表面に石粒があるからザラザラで滑りにくそう」
そう思っている方は要注意です。
確かに石粒のおかげでツルツルの屋根面よりは安心感があると思います。
しかし、石粒は吹き付けているだけであって経年劣化で剥がれ落ちる可能性もあります。
運悪く足元の石粒がまとめて剥離するようなことがあれば落下する危険がありますので、DIY時にも注意しましょう。
(可能な限り屋根に上ることは避けていただき、屋根の調査やメンテナンスが必要な際は専門業者に依頼しましょう。)

また、もう一つ滑りやすくなる要因としてコケやカビが挙げられます。
スレート屋根の場合、オレンジ色に見えているものがコケやカビに該当しますが、表面に石粒があるアスファルトシングルは見えにくい場所に苔やカビが繁殖している可能性があるのです。
石粒があることで屋根上には苔や汚れが付着しやすく、見た目以上に滑りやすくなっています。
アメリカで落下・事故事例が少なくとも、高温多湿な日本だからこそ危険が潜んでいると考えましょう。
危険ですので、簡易的な点検であっても屋根に上ることは避けてください。


アスファルトシングルは大きなホームセンターでは販売されており、上述した通り簡単に加工できるため、ご自身で物置等の屋根を施工することも可能です。
DIYで少しの剥がれが補修できるのであれば、それほど効果の高い節約は他にないでしょう。
しかし、なぜ屋根工事を屋根工事業者が行うのか。
☑ 一つは高所作業が危険だから
☑ 一つは屋根が単純な構造ではないから
☑ 一つは誤った補修で雨漏りを起こす可能性があるからです。
屋根塗装時には縁切りが必要ですし、屋根工事時にはアスファルトシングルの継ぎ目同士が重ならないように施工しなければならず、意図せず施工不良となってしまっても状況次第では葺き替えを行わなければならないことも想定されます。

・軽微な補修をプロに任せても断られそう
・大規模な工事を提案されそう
と不安を感じる方も多いかと思いますが、私たち街の屋根やさんはお客様のご希望と屋根に必要な補修を考慮したうえで最適なメンテナンス方法をご提案させていただきます。
もちろん点検・お見積りは無料ですのでご安心ください。

アスファルトシングルに関するまとめ
●アスファルトシングルとはガラス繊維にアスファルトを浸透させたシート状の屋根材です。加工が簡単で曲面も施工でき、アメリカで主流となっている屋根材です。
●アスファルトシングルに限りませんが、屋根の異常に気付いた時点で対応することで被害も補修費用も最小限に抑えることができます。
●釘と接着剤で強固に固定されているアスファルトシングルですが、柔らかいため強風に煽られ剥がれる被害もあります。劣化が酷いケースでは千切れて飛散することもあるため定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
●アスファルトシングルには屋根カバー工法も可能ですので屋根全体の重量や劣化の程度を見極め、葺き替え工事を行うのかを検討していきましょう。
●日本国内ではアスファルトシングルの実績数は多くないため、知識が十分でない屋根工事業者も存在します。施工後に後悔しないようご自身でも正しい知識を身に付け屋根工事・リフォーム・DIYに取り組みましょう。